三徳包丁16cmと18cmどっち?まな板の実寸で選ぶ基準

三徳包丁16cmと18cmを並べて比較している様子 包丁の選び方

静岡で料理歴15年のコウスケです。三徳包丁を買おうとして、16cmと18cmの二択で手が止まった経験はありませんか。私も一本目を買うとき、店頭で二本を持ち比べて15分ほど動けなくなりました。

ネットで調べると「大きい野菜を切るなら18cm」「手が小さいなら16cm」と出てきます。間違ってはいないのですが、これだと自分がどっちなのか結局わかりません。手が小さめでもキャベツを丸ごと買う人はいますし、その逆もいます。

この記事では、好みや感覚ではなくその場で測れる条件から刃渡りを決める方法をまとめました。使うのはメジャー1本と、あなたの手です。読み終わる頃には、自分の台所にとってどちらが正解か、理由つきで言えるようになっているはずです。

  • 16cmと18cmの差は、実は重さではなく「まな板の上で刃を引ける距離」
  • まな板の短辺があなたの刃渡りの上限を決めている
  • 手の大きさは握り方(握り込むか、人差し指を添えるか)とセットで見る
  • 洗い場と収納で使い勝手が変わるので、買う前にシンクの幅も測っておく
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三徳包丁の16cmと18cmはどっちか実寸で決める

最初に結論を書いておきます。16cmと18cmは、上位か下位かの関係ではありません。あなたの台所にある道具と体格に合うかどうかで、正解が入れ替わる関係です。そして合うかどうかは、感覚ではなくメジャーで確かめられます。ここでは、判断に使う3つの物差しを順番に見ていきます。

三徳包丁の18cm 16cmどっちか迷う理由

この二択で迷う人が多いのには、はっきりした理由があります。16cmも18cmも、どちらも家庭用として正しいサイズだからです。どちらかが失敗作なら迷いようがないのですが、両方とも家庭の定番として長く売られてきた寸法で、実際にどちらを買っても大半の料理はこなせてしまいます。だから決め手が見つからず、店頭で固まることになります。

もう一つの理由は、比較の基準が人によってバラバラなことです。あるレビューでは「重いから16cm」と書かれ、別のレビューでは「1cm長いだけで格段に使いやすい」と書かれています。どちらも嘘ではありません。書いた人の台所と体格が違うだけです。自分と条件の違う人の結論だけを集めても、自分の答えにはなりません。

実際に数字を見ると、思い込みが崩れる部分もあります。グローバルの公式サイトに載っている仕様では、三徳18cmのG-46が全長31cm・刃渡り18cm・刀幅5cm・重量175g、三徳16cmのG-57が全長28cm・刃渡り16cm・刀幅4.5cm・重量165gです。同じシリーズで比べると、重さの差は10gしかありません。10円玉2枚ぶんです。「18cmは重くて疲れそう」という不安の多くは、実際の重量差ではなく、手に持ったときの長さの印象から来ています。

同じシリーズ同士で比べると、16cmと18cmの差は重量よりも「刃渡り2cm」と「刀幅0.5cm」に出ます。数字の出どころはグローバル公式サイトの製品仕様ページです。ブランドが変われば重さの関係も変わるので、気になる製品は必ずその製品の仕様を見てください。

では何を基準にすればいいのか。私が行き着いたのは、包丁単体で悩むのをやめることでした。包丁は、まな板の上でしか使えません。そして洗い場で洗い、どこかにしまいます。つまり刃渡りの正解は、包丁ではなく台所側の寸法が先に決めているのです。ここから、その具体的な測り方に入ります。

三徳包丁は何センチかまな板が決める

刃渡りを決める最初の物差しは、まな板の短いほうの辺です。ここを測らずに包丁を買うと、後から取り回しの悪さに気づくことになります。

理由は、包丁の動かし方にあります。三徳包丁は、上から押し切るだけの道具ではありません。玉ねぎでも人参でも、刃を少し前に送りながら、あるいは手前に引きながら切ると、力を入れずに刃が入っていきます。このとき刃は、まな板の上を前後に移動します。刃渡りいっぱいの長さを、まな板の上で動かす余地が必要だということです。

ここで問題になるのが、まな板の短辺です。多くの人は、まな板の手前側に食材を置いて、体に対して垂直に近い向きで刃を下ろします。このとき刃が動く方向は、まな板の短辺と同じ向きです。短辺が20cm台前半しかないまな板に18cmの刃を乗せると、刃を前後に送る余白がほとんど残りません。結果として、押し切るだけの窮屈な使い方になり、せっかくの長い刃が活きなくなります。

目安として、私はまな板の短辺に、刃渡りより数センチ広い余白があるかを見ています。一般的な家庭用まな板は短辺24cm前後のものが多く、この大きさなら16cmでも18cmでも刃を送る余地は残ります。ただし短辺が20cm台前半を下回るような小さいまな板では、18cmの刃を前後に動かす余白はかなり削られます。まな板ごと買い替える気がないのであれば、16cmを選んだほうが日々の切りやすさは上です。

まな板の短辺は、洗い桶やシンクに入るかどうかで選ばれていることが多く、台所の広さより先に「洗いやすさ」で決まっている場合があります。自分のまな板がどういう理由で今の大きさなのかを思い出すと、包丁を合わせるべきか、まな板ごと見直すべきかが判断しやすくなります。

まな板そのものをこれから選ぶ、あるいは買い替えも視野に入れているなら、素材によって扱いやすさと寿命がかなり変わります。木とプラスチックのどちらが自分の台所に合うかはまな板の木とプラスチックを比べた記事で手入れの手間まで含めて整理しているので、包丁と一緒に考えると失敗が減ります。私自身、包丁を買い替えたタイミングでまな板も一回り大きいものに変えたことがあって、このとき同じ包丁が別物のように使いやすくなりました。

三徳包丁の165と180の表記の違い

通販サイトを見ていると、同じ包丁なのに「16cm」と書かれていたり「165mm」と書かれていたりします。この表記の揺れも、比較しづらさの一因です。

結論から言うと、刃物の世界ではミリ表記が基本です。165mm、180mmといった数字がそのまま製品の型番や品名に入っていることも珍しくありません。これをセンチに直すと16.5cm、18cmになります。つまり「16cmの包丁」として売られているものの中には、実測16.5cmのものが混ざっているということです。16cmちょうどの製品もあれば、165mmを16cmと丸めて表記している製品もあります。

この0.5cmを気にする必要があるかというと、切れ味の面ではほとんど影響しません。ただ、まな板の短辺がぎりぎりの人や、包丁ケースやシンク上のラックに収める予定がある人にとっては、無視できない差になることがあります。商品ページのタイトルではなく、仕様欄の刃渡りの数値を見る癖をつけておくと、届いてから「思ったより長い」と感じることが減ります。

ミリ表記の刻みも知っておくと選びやすくなります。家庭用の万能包丁は、おおむね150mm、165mm、180mmという刻みで作られていることが多く、この165mmと180mmが、今回の16cmと18cmに当たります。つまり多くのメーカーにとって、この二つは「小さめの標準」と「大きめの標準」であり、どちらも主力です。片方が入門用で、もう片方が上級者用という関係ではありません。

海外ブランドの包丁ではインチ由来の寸法が使われることがあり、日本の165mm・180mmとはきれいに対応しません。「7インチ」などと書かれている場合は、必ずミリまたはセンチでの実寸表記を確認してください。表記だけを見て同じサイズだと思い込むと、手元に届いたときに寸法が合いません。

私は通販で包丁を見るとき、まず仕様欄の刃渡りをメモしてから、家のまな板の短辺と引き算します。数センチの余白が残れば候補、刃渡りとほぼ同じで余白が残らないなら一段短いモデルを見る、という順番です。この手順を先に決めておくと、レビューの熱量に引っ張られて自分に合わないサイズを買ってしまう事故が減ります。

三徳包丁の女性向けサイズの考え方

「女性なら16cm」という説明をよく見かけます。実際に、この二択で16cmを選ぶ人は多く、その多くが手の大きさを理由に挙げています。ただ、性別だけで決めてしまうと、判断を間違えることがあります。

大事なのは、手のひらの大きさそのものより柄をどう握るかです。包丁の握り方には大きく二通りあります。柄をまるごと握り込む持ち方と、刃の付け根あたりに人差し指を添えて、親指と挟むように持つ持ち方です。後者は刃の向きをコントロールしやすく、細かい作業に強い持ち方ですが、指を前に出すぶん、手のひらの位置が刃に近づきます。

ここが分かれ目です。人差し指を添える持ち方をする人は、刃を体の近くで扱うので、刃渡りが長くても先端の重さを感じにくくなります。一方、柄を握り込む持ち方の人は、刃全体が手から遠い位置にあるため、長い刃ほど先端の重さが手首にかかります。つまり同じ手の大きさでも、握り方が違えば感じる重さが変わるのです。

店頭で試せるなら、包丁を持ったまま手首だけを軽く上下させてみてください。先端が重く感じて手首でこらえる必要があるなら、その一本は今のあなたの握り方には長すぎます。逆に、先端の重さが自然に下りてきて、切る動作を手伝ってくれる感覚があるなら、その長さは合っています。この確認は数秒でできるうえに、レビューを100件読むよりも確実です。

手が小さめでも、人差し指を刃の付け根に添える持ち方が身についている人は、18cmを無理なく扱えることがあります。逆に手が大きくても、柄を握り込む持ち方しかしない人は、18cmの先端を重く感じることがあります。性別や手の大きさより、握り方のほうが判断材料としては正確です。

もう一つ、身長も地味に効いてきます。作業台の高さは家ごとにほぼ固定なので、身長が低いほど、台に対して肩の位置が近くなり、腕を大きく前後に動かしにくくなります。刃を長く送る動きが取りにくいなら、長い刃渡りの利点は薄れます。台所に立ったとき、まな板に対して肘が窮屈だと感じるなら、16cmのほうが扱いやすい可能性が高いです。

三徳包丁で使いやすいサイズの見つけ方

ここまでの物差しをまとめて、実際に判断する手順にします。用意するのはメジャー1本です。所要時間は5分もかかりません。

まず、まな板の短辺を測ります。次に、シンクの内側の幅を測ります。最後に、包丁をしまう場所の内寸を測ります。引き出しなら奥行き、シンク下のラックなら高さ、包丁差しなら差し込める深さです。この3つの数字を紙にメモしておけば、店頭でも通販でも判断に使えます。

次に、その数字を当てはめます。まな板の短辺に刃渡りより数センチの余白があり、シンクの内側が全長30cm前後の包丁を寝かせて洗える幅があり、収納にも収まるなら、18cmは問題なく使えます。どこか一つでも足りなければ、その足りない場所が毎日のストレスになります。特に多いのが収納で、刃渡りは足りているのに全長で引き出しに入らない、というつまずき方です。刃渡り18cmの包丁は、全長で30cm前後になることを頭に入れておいてください。

そのうえで、握り方の確認をします。可能なら店頭で握ってみるのが一番早いのですが、難しければ、今使っている包丁の刃渡りを測って基準にする方法があります。今の包丁で不満がないなら、その長さの前後1cmが安全圏です。今の包丁で「大きい野菜を切るとき短い」と感じているなら一段長く、「取り回しが窮屈」と感じているなら一段短く、と動かします。今の一本を基準点として使うのが、もっとも失敗しにくい決め方です。

まだ包丁を一本も持っていない場合はどうすればいいでしょうか。その場合は、まな板の短辺だけで決めて構いません。短辺が24cm前後の一般的なまな板なら16cmと18cmのどちらでも使えるので、そのあとの料理の内容で決める。それより明らかに小さいまな板しか置けないなら16cmを選んだうえで、まな板の買い替えも検討する。この順番で決めれば、大きく外すことはありません。

なお、家庭用の万能包丁全体の中で三徳がどういう位置づけなのか、牛刀や菜切とどう違うのかを整理しておくと、サイズ選びの前提が見えやすくなります。用途ごとの違いは包丁の種類をまとめた記事で解説しているので、そもそも三徳でいいのか迷っている段階なら、先にそちらを見ておくと遠回りが減ります。

まな板の短辺をメジャーで測り、刃渡りの上限を確かめている様子

三徳包丁の16cmと18cmを場面で選ぶ

寸法での判断ができたら、次は使う場面から詰めていきます。ここでは、それぞれのサイズが得意なこと、苦手なこと、そして買った後の手入れや保管まで含めて見ていきます。数字で絞り込んだ候補を、生活に照らして最終確認する段階です。

包丁の16センチと18センチの得意な料理

2cmの差は、切る対象によってはっきり体感できます。まず16cmが得意なのは、食材を回しながら切る作業です。じゃがいもの面取り、玉ねぎの根元の処理、りんごを持ったまま剥く動きなど、刃先で細かく方向を変える作業では、短いほうが素直に動きます。刃が短いと、刃先が手のすぐ近くにあるので、狙った位置に当てやすくなります。

それから、量が少ない調理も16cmが向きます。一人分や二人分の食事で、玉ねぎ半分と人参を少し、といった量なら、刃を長く送る場面がそもそも出てきません。この場合、18cmを使っても余った刃渡りは使われず、取り回しの軽さだけが失われます。使い切れない刃渡りは、利点ではなく持て余しになります。

一方、18cmが効くのは、食材が刃渡りより幅広い場面です。キャベツを4分の1に割る、白菜をざく切りにする、大根を厚めの輪切りから縦に落とす、といった作業では、刃渡りが足りないと一度で切り下ろせず、途中で刃を持ち上げて入れ直すことになります。この入れ直しが、断面をつぶし、力も余計に必要にします。刃渡りが食材の幅を超えていれば、一動作で切り終えられるのが18cmの本質的な利点です。

まとめ調理も同じ理屈です。玉ねぎを3個続けてみじん切りにする、常備菜のために野菜を大量に刻む、といった作業では、一回あたりの刃の移動距離が長いほど手数が減ります。週末にまとめて仕込む習慣がある家庭なら、18cmの2cmは毎回の手数として返ってきます。逆に、平日に少しずつ作る家庭では、その差が現れる場面自体が少なくなります。

判断の目安として、冷蔵庫に入っている野菜の買い方を思い出してみてください。キャベツや白菜を丸ごと、または半分で買うことが多いなら18cm。カット済みの4分の1や、使い切りサイズで買うことが多いなら16cm。この一点だけでも、かなり絞り込めます。

三徳包丁の厚さと重心も一緒に見る

刃渡りだけを見て選ぶと、もう一つの大きな要素を見落とします。刃の厚さと、包丁全体の重心です。この二つは、実際の使い心地では刃渡り以上に効いてくることがあります。

刃が薄い包丁は、食材に入るときの抵抗が小さく、軽い力でスッと沈みます。トマトや玉ねぎのような、切り始めに刃が滑りやすい食材で差が出ます。反対に、刃が厚めの包丁は、食材を左右に押し広げる力が強くなるので、抵抗が増えます。ただし厚みは強度でもあり、かぼちゃのような硬い野菜に対しては、薄い刃より安心して力をかけられます。薄さは切れ味の軽さ、厚さは安心して力をかけられる余裕と考えると整理しやすくなります。

ここで刃渡りと組み合わせて考えます。18cmで、なおかつ厚めの刃だと、当然ながら重量は増え、手首への負担も大きくなります。逆に18cmでも薄めの刃なら、長さのわりに軽く感じます。「18cmは重い」という話が人によって食い違うのは、刃渡りだけでなく厚みや素材が違う包丁同士を比べているからです。カタログの重量表記を見るときは、必ず刃渡りとセットで見てください。

重心も確認したい部分です。柄と刃のつなぎ目あたりに重心がある包丁は、手の中で安定し、長時間使っても疲れにくい傾向があります。刃先寄りに重心がある包丁は、振り下ろす動きで刃の重さが助けになりますが、細かい作業では扱いにくさが出ます。店頭なら、人差し指の上に包丁を横向きに乗せてバランスを取ってみると、重心の位置がすぐわかります。指の上で釣り合う位置が、柄の付け根に近いほど手元寄りの重心です。

厚みや重心は、同じ「三徳16cm」という表記の中でも製品ごとに大きく違います。刃渡りが同じだから使い心地も同じ、とは考えないでください。可能な限り実物を握るか、それが難しければ重量表記と、刃体の素材まで確認したうえで選ぶことをおすすめします。
刃渡りの異なる三徳包丁を並べ、刃の厚みと重心の違いを比べている様子

グローバル三徳包丁の16cmと18cm

この二択を調べていると、グローバルの三徳がよく出てきます。オールステンレスで柄にドット模様が入った、あの見た目の包丁です。16cmと18cmの両方があり、どちらを選ぶか迷う人が多いようです。

公式サイトの仕様を見ると、18cmのG-46が全長31cm・刃渡り18cm・刀幅5cm・重量175g、16cmのG-57が全長28cm・刃渡り16cm・刀幅4.5cm・重量165gとなっています。刀身は刃物用ステンレス、柄は18-8ステンレス、刃付けは両刃で右利き左利き兼用という点は共通です。違いは寸法と10gの重量差だけで、素材や作りは同じということになります。

グローバル公式の製品説明では、18cmのG-46は丸ごとのキャベツや白菜など大きめの食材にも適したサイズとされ、16cmのG-57は4分の1にカットしたキャベツや、にんじん、じゃがいもくらいの大きさの食材を切りやすいサイズ感だと説明されています。メーカー自身が、この二つを大きさの違いで説明しているわけです。前の見出しで書いた「野菜の買い方で決める」という考え方と、きれいに一致します。

ただ、グローバルには一つ性格的な特徴があります。柄まで含めてステンレス一体なので、木の柄の包丁に比べると手に当たる感触が硬く、握ったときの印象が独特です。継ぎ目がないぶん洗いやすく衛生的なのですが、この握り心地は好みが分かれます。サイズ以前に、この柄が自分に合うかどうかを確かめたほうがいいタイプの包丁です。可能なら、サイズを決める前に一度握ってみてください。

グローバルに限らず、オールステンレスの包丁は水に強く手入れが楽な反面、握り心地が硬めです。木や樹脂の柄のほうが手に馴染むと感じる人もいます。刃渡りで迷っているつもりが、実は柄の素材が引っかかっている、ということもあるので、迷いの正体がどこにあるのか一度切り分けてみるとすっきりします。

三徳包丁の18センチと三枚おろし

18cmを勧める根拠としてよく挙がるのが、大きめの食材とまとめ調理です。その代表例が、魚を一尾まるごと扱う場面になります。

スーパーで買ってきたアジやサバを一尾おろすとき、刃渡りが短いと苦しくなる場面があります。中骨に沿って刃を水平に滑らせていく工程では、刃が長いほど一度に進める距離が伸び、身の断面が荒れにくくなります。16cmでもできないわけではありません。ただ、刃を何度も入れ直すぶん、身がぼろぼろになりやすくなってしまいます。魚を一尾から買う習慣があるなら、18cmの長さは実利になるということです。

ただし、ここには前提があります。三徳包丁は魚を専門にさばく道具ではありません。頭を落とす工程では硬い骨に当たるので、刃の薄い三徳では刃こぼれの危険があります。実際に、この工程だけは出刃を使うか、魚屋さんで頭と内臓を落としてもらうのが安全です。三徳でどこまでやれて、どこから無理があるのかは三徳包丁で魚を三枚におろせるかをまとめた別記事で工程ごとに切り分けているので、魚をさばく前提で刃渡りを選ぶなら、そちらも合わせて読んでみてください。

私の場合、普段の魚料理は切り身が中心で、一尾から扱うのは月に数回です。この頻度だと、魚のために18cmを選ぶ理由にはなりませんでした。逆に、釣りをする人や、まるごと一尾で買うのが当たり前という家庭なら、話は変わってきます。年に数回のために刃渡りを決めるのではなく、毎週やることに合わせて決めるのが、後悔しない基準だと考えています。

魚を一尾から扱う頻度が月に1回程度なら、その工程を基準にサイズを決める必要はありません。普段いちばん多く作る料理で決めて、魚のときだけ手数が増えるのを受け入れるほうが、日々の使いやすさとしては上になります。

洗い場と収納で決まる使い勝手

刃渡りを決めるうえで、意外と後回しにされがちなのが、洗う場所としまう場所です。ここが合っていないと、切れ味に不満がなくても、使うたびに小さなストレスが積み重なります。

まず洗い場です。刃渡り18cmの包丁は、全長で30cm前後になります。シンクの内側でこれを寝かせて洗おうとすると、幅が足りずに柄や刃先がシンクの縁に当たることがあります。縁に刃を当てると、それだけで刃先は傷みます。洗うときに刃をぶつけない余裕があるかは、包丁の寿命に直結します。シンクが狭い場合は、斜めに寝かせて洗う癖をつけるか、短いほうを選んでおくと安全です。

次に、乾かす場所です。水切りかごに包丁を立てて入れる家庭は多いと思いますが、かごの高さに対して包丁が長すぎると、不安定になって倒れます。倒れた包丁が他の食器に当たれば刃こぼれの原因になり、何より危険です。かごに入れず、洗ってすぐ拭いて所定の位置に戻す運用にしているなら、この点は気にしなくて構いません。

最後に収納です。引き出しに入れる場合は奥行き、包丁差しに入れる場合は差し込み口の深さと、刃を受ける部分の長さを確認します。刃渡りが収まっても、柄まで含めた全長で引っかかることがあるので、必ず全長で確認してください。マグネットバーに貼り付ける方式なら長さの制約は小さくなりますが、そのぶん壁面のスペースが必要です。

包丁を引き出しにそのまま入れるのは、刃が他の道具に当たって傷む原因になります。刃先を守るサヤやシースを併用するか、包丁専用の仕切りを用意してください。刃渡りが合っていても、保管の仕方が悪いと切れ味は落ちていきます。

私は一人暮らしを始めた頃、シンクの脇に置けるまな板の大きさが限られていて、そこに合わせて包丁を選んでいました。今は作業スペースに余裕があるので、長めの刃渡りも無理なく使えています。同じ人間でも、住む家が変われば合う刃渡りは変わります。包丁は台所という場所とセットで選ぶ道具だと考えると、判断がぶれにくくなります。

シンクの幅と包丁の全長を照らし合わせ、洗いやすさと収納を確認している様子

三徳包丁の16cmと18cmはどっちが正解か

最後に、判断の順番だけもう一度整理しておきます。三徳包丁の16cmと18cmは、好みで決める話ではなく、測れば答えが出る話です。

まず、まな板の短辺を測ってください。刃渡りより数センチの余白が残るかどうかが最初の関門です。短辺が20cm台前半を下回るような小さいまな板なら、18cmは刃を送る余白が足りないので16cmが合います。次に、シンクの内側で全長30cm前後の包丁を寝かせて洗えるか、収納に全長で収まるかを確認します。ここで引っかかる場所があるなら、その不便は毎日続きます。

寸法が両方とも通ったら、あとは料理の内容と握り方です。キャベツや白菜を大きい単位で買い、まとめて仕込む家庭なら18cmが手数を減らしてくれます。少量ずつ、細かい作業が多い家庭なら16cmのほうが軽快です。握り方については、人差し指を刃の付け根に添えて持つ人なら長さの負担は少なく、柄を握り込む人なら短いほうが手首は楽になります。

そして、どちらを選んでも、名前や表記に振り回されないでください。同じ「三徳」でも、文化包丁として売られている万能包丁と実質的にほとんど変わらないことがあります。呼び名の違いと選び分けについては文化包丁と三徳包丁の違いをまとめた記事で整理しているので、店頭で名前が違って混乱したときに見てもらえればと思います。

条件を当てはめて18cmが合いそうなら、候補の一例として、ミソノのモリブデン鋼シリーズにある三徳庖丁 No.581(刃渡り18cm)を挙げておきます。ミソノは岐阜県関市に工場を構える刃物メーカーで、業務用として長く使われてきた作り手です。仕様や価格は変わることがあるので、ミソノ モリブデン鋼 三徳庖丁 No.581 18cmの商品ページで刃渡りと重量を確かめ、先に測った数字と照らし合わせてから決めてください。評判の良い包丁でも、台所に収まらなければ良い買い物にはなりません

手入れの手間も、選ぶ前に頭に入れておくと後がラクです。刃渡りが長いぶん、18cmは研ぐときに砥石の上で刃を動かす回数が増えます。ほんの少しの差ですが、何年も続く差でもあります。手間を最小にしたいなら16cmが楽ですし、切る作業の手数を減らしたいなら18cmが効きます。買う瞬間ではなく、これから何年も洗って研いで使う道具として見ると、迷いが減ります。

包丁は毎日握る道具です。だからこそ、レビューの多数決ではなく、自分の台所の実寸で決める価値があります。メジャーを一本持って、まな板とシンクと引き出しを測るところから始めてみてください。それだけで、16cmと18cmのどちらを買うべきかは、驚くほどはっきりします。

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