静岡で料理歴15年のコウスケです。通販で三徳包丁を探していると、「ツヴィリング J.A. ヘンケルス」という長い名前の商品と、「ヘンケルス」とだけ書かれた商品が並んで表示されます。しかも値段が3倍近く違うことがある。同じ会社なのか、別物なのか、安いほうを買って後悔しないのか。ここで手が止まってしまう人は多いはずです。
私も最初は、名前が似ているせいで余計にややこしいと感じていました。ただ、調べているうちにもっと気になることが出てきます。ネットでいちばん多く見かけるのが「ツヴィリングはドイツ製、ヘンケルスは海外の安い工場」という説明です。これが、公式の商品ページに書いてある原産国の欄とまるで噛み合っていません。
そこでこの記事では、メーカーが自分で出している情報だけを一枚ずつ突き合わせていきます。2つのブランドの関係、マークの見分け方、どこで作られているのか。そして家庭でどちらを選べばいいのかまで、順に整理します。私はこの2ブランドを何年も使い分けてきたわけではありません。体験談ではなく「公開されている事実の照合」として読んでもらえるとちょうどいいと思います。
- ツヴィリングとヘンケルスは別会社ではなく、ひとつの会社が持つ2つのブランド
- 日本で売られている主力の三徳は、どちらのブランドも公式表記が「日本製」
- 見分ける手がかりはマーク。二人並んだ双子がツヴィリング、一人がヘンケルス
- 選び分けの決め手は製造国でも食洗機でもなく、予算と「自分で研ぐかどうか」
ツヴィリングとヘンケルスの違いは会社ではない
まず土台になる話からいきます。この2つは競合他社ではありません。ひとつの会社が抱えているブランドのうちの2つで、そこを取り違えたまま比較記事を読むと、話が最後まで噛み合わなくなります。ここでは会社の関係、価格帯の考え方、マークの読み方、そして多くの記事が取り違えている製造国までを、公式の文章を引きながら順番にほどいていきます。
ヘンケルとツヴィリングの違いは何ですか
結論から言うと、両者は同じ会社が持っている別々のブランドです。日本法人であるツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン株式会社が出した公式のプレスリリースには、事業内容がこう書かれています。
事業内容:ツヴィリング J.A. ヘンケルス グループブランド(ツヴィリング ・ヘンケルス ・ストウブ・パッラリーニ)のキッチン用品に関する輸出入、製造
ツヴィリングとヘンケルスが、鍋のストウブなどと同じ並びで「グループブランド」として列挙されています。つまり両者の関係は、ライバル同士でも、本家と偽物でもありません。ひとつの会社が目的の違う複数の看板を持っていて、そのうちの2枚がこれ、という構図です。
「ヘンケル」と短く覚えている人も多いと思いますが、検索するときに出てくる表記は「ヘンケルス」です。ここが少し厄介で、会社の正式名称そのものが「ツヴィリング J.A. ヘンケルス」なので、通販サイトの商品名にツヴィリングとヘンケルスの両方の単語が同時に入ってしまうことがあります。安いヘンケルスの包丁を見ているつもりが、タイトルには「ツヴィリング」の文字も並んでいる。これで「結局どっちなの」と混乱するわけです。
通販の商品名に両方の名前が並んでいたら、会社名を書いているだけだと思ってください。ブランドを判断するのは商品名ではなく、刃に入っているマークと型番です。
ここから先の話も、この「同じ会社の中の話をしている」という前提を持っておくと一気に見通しがよくなります。価格が違うのも、作っている場所が違うことがあるのも、別の会社だからではなく、同じ会社が違う狙いで作り分けているからです。なお、ヘンケルス単体の使い勝手や口コミがどうなのかは、ヘンケルス包丁の評判をまとめた記事のほうで細かく扱っています。この記事は2つのブランドの関係と選び分けに集中します。
ヘンケルスとツヴィリングの違いは価格帯
では何が作り分けられているのか。いちばん分かりやすいのが値段のレンジです。公式サイトのヘンケルスのブランドページには、位置づけがはっきり書かれています。
ツヴィリンググループの商品をより多くの方へ
手に取りやすい価格帯と、好みや流行に合ったデザイン・カラーで、キッチンアイテムをカジュアルにお楽しみいただけます。
高品質でありながら、買いやすい価格設定で毎日使える安心感
「より多くの方へ」「手に取りやすい価格帯」。ヘンケルスは、グループの間口を広げる役割を担っているブランドだと、メーカー自身が説明しているわけです。
実際に公式オンラインショップで価格帯を絞ってみます。2026年9月時点で掲載されているヘンケルスの商品は67件。うち3,300円未満が17件、3,300〜11,000円が40件でした。11,000円を超えるものは10件だけです。対してツヴィリング側は、三徳包丁の下限が通販の実勢で6千円前後。あとで取り上げる主力のツイン フィン 2 になると8千円台後半で、上は数万円まで伸びていきます。重なる部分はあるけれど、重心がはっきりずれているという関係です。
ここで注意したいのが言葉の選び方です。ヘンケルスを「劣るほうのブランド」という扱いで説明している記事をよく見かけますが、メーカー自身はそういう言い方を一度もしていません。公式の言葉はあくまで「より多くの方へ」「手に取りやすい価格帯」です。安いほうが手抜きという意味ではない、と読むのが正確です。
この違いは、買う側にとってはむしろ扱いやすい情報です。予算が3千円前後で、まずは今使っている切れない包丁から抜け出したいならヘンケルス。1万円近くまで出せて、しばらく買い替えずに付き合いたいならツヴィリング。ブランドの優劣ではなく、自分がどの棚を見に行くべきかという話に落とし込めます。ツヴィリング側の評価がどうなのかは、ツヴィリング包丁の評判をまとめた記事のほうが詳しいので、単体の口コミが気になる人はそちらを見てください。
ツヴィリングとヘンケルスのマークの見分け
名前で迷ったときに、いちばん確実なのがマークです。公式サイトが今配信しているブランドロゴを見ると、二つはまったく別のデザインです。
ツヴィリングのロゴは、赤い正方形の中に、白い人型が二人並んで立っている絵柄です。いわゆる双子マーク。一方ヘンケルスのロゴは、濃い紺色の人型が一人だけ立っていて、その横に「HENCKELS」の文字が添えられています。赤い四角は使われていません。色も人数も違うので、並べてしまえば迷う要素はほとんどありません。

通販で確認するときのコツは、商品画像を拡大して刃の付け根あたりを見ることです。包丁のマークは、たいてい柄に近い側の平らな面に入っています。スマホの画面だと潰れて見えないこともあるので、商品ページの画像を一枚ずつ送って、刃元が大きく写っているカットを探すのが早道です。
マークが読み取れないくらい画像が粗いときは? そのときは型番で判断してください。ヘンケルスの三徳なら10055-880のような番号、ツヴィリングなら30917-181のような番号が商品仕様欄に載っています。マークより確実です。
店頭でも同じで、パッケージの隅に小さくロゴが入っています。赤い四角が見えたらツヴィリング、紺色の一人ならヘンケルス。この一点さえ覚えておけば、売り場で「ツヴィリング J.A. ヘンケルス」という長い表記に惑わされることはなくなります。値札の桁数とマークが対応しているかを確かめれば、買う前の不安はだいぶ減るはずです。
ちなみに、マークが入っている位置はメーカーによってかなり違います。刃の面に大きく入れるところもあれば、柄の尻に小さく刻むところもある。この2ブランドは刃元寄りの面に入れるタイプなので、まな板に置いた状態で上から覗き込めば見つかります。ギフトでもらった箱をまだ捨てていないなら、箱の側面にもブランドのロゴが刷られているはずなので、そちらのほうが早いかもしれません。
ヘンケルスのマークは一人と二人で違う
もう少し踏み込んで、人数の話をしておきます。検索していると「ヘンケルス マーク 一人」「マーク 二人」といった調べ方がよく出てきます。これは手元の包丁がどちらのブランドなのかを、人型の数で判定しようとしている人が多いということです。
結論としては、その判定の仕方で合っています。公式が現在出しているロゴを見るかぎり、人型が二人ならツヴィリング、一人ならヘンケルスです。ブランド名の由来もここに関係していて、ツヴィリングはドイツ語で双子を意味する言葉だと公式が説明しています。双子という名前と、二人並んだマーク。ここは素直につながっています。
この見分け方の根拠は、公式サイトが配信しているブランドロゴの画像そのものです。「一人マークはヘンケルスである」と文章で説明した公式ページは、私が探した範囲では見つかりませんでした。あくまでロゴのデザインから確認できる事実として受け取ってください。
気をつけたいのは、同じシリーズでも年代によって刻印の細かい体裁が変わることです。刃に入っている文字が「ZWILLING J.A. HENCKELS」と長く書かれているものもあれば、「ZWILLING」だけのものもあります。文字の量で世代は推測できても、それでブランドを判断するのは危なっかしい。人型の数と型番、この2つで見るのが安全です。
贈り物でもらった包丁や、実家から譲り受けた一本のブランドを知りたいときも同じ手順でいけます。まず刃元を明るいところで見て人型を数える。次に反対側の面や箱に型番が残っていないか探す。この2ステップで、たいていの包丁はどちらのブランドか特定できます。古いものだと刻印が薄くなっていることもあるので、斜めから光を当てると輪郭が浮きやすくなります。
ヘンケルスのマークは変わったのか
ここで、意外と多い不安に答えておきます。「手元の包丁のマークが、公式サイトの画像と違う。もしかして偽物を買った?」というやつです。
結論を先に言うと、マークが違う=偽物、とは限りません。グループのロゴは実際に更新されてきているからです。公式のプレスリリースには、こう書かれています。
ツヴィリングロゴは1969年に現在の形となり、以降50年に渡ってブランドのシンボルを務めてきました。
新ロゴは、ロゴ下の文字がZWILLINGのみとなり、すっきりとわかりやすく!
1969年に今の双子マークになり、2019年にはロゴ下の文字が整理されている。1731年の第1期から1900年の第5期まで、双子のマークそのものも何度もデザインが変わってきたことが、同じリリースの中で紹介されています。つまり数十年単位で見れば、マークまわりの体裁は動いているのが普通なのです。ただ、このリリースが記録しているのは双子マーク、つまりツヴィリング側の変遷です。ヘンケルス単体のロゴがいつどう変わったかを年表にした公式資料は、今回は見つけられませんでした。
さらに強い根拠があります。公式オンラインショップの商品ページには、ヘンケルス側にもツヴィリング側にも、同じ注意書きが載っています。
包丁に印字されている文字やロゴマークにつきましては、予告なく仕様を変更することがございます。弊社公式オンラインショップに掲載されている画像と異なる仕様の商品をお届けすることもございますが、あらかじめご了承願います。
メーカー自身が「公式の画像と違うものが届くことがある」と書いています。だから、公式ページの写真と刻印が一致しないという理由だけで偽物を疑う必要はありません。心配なら、正規の販売ルートで買ったかどうかを先に確認するほうが確実です。
もちろん、明らかにロゴの形が崩れている、文字の綴りがおかしい、といった場合は話が別です。ただ「文字の並びが違う」「マークの下の文字数が違う」程度なら、世代差と仕様変更の範囲に収まることが多い。この公式の一文を知っているだけで、無駄に不安になる場面はかなり減ります。
ツヴィリングとヘンケルスの包丁はドイツ製か
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。上位に出てくる解説の多くが「ツヴィリング=ドイツ製の本格派、ヘンケルス=海外で作る安い普及品」という構図で書いています。ところが公式の商品ページを一枚ずつ開いて原産国の欄を読むと、話が食い違います。
公式サイトの表記をそのまま並べます。ヘンケルスのロストフライ三徳18cmは「生産国:日本」。ツヴィリングのツイン フィンII マルチパーパスナイフ18cmは「原産国:日本 食洗機使用可能」。そしてツヴィリングのプロフェッショナル S 三徳18cmだけが「原産国、ドイツ。食洗機、使用可能。」と書かれています。

つまり、日本で売られている主力の三徳は、ツヴィリングもヘンケルスも日本製です。ドイツ製なのはプロフェッショナル S のような一部のシリーズ。ブランドの名前で製造国が決まるわけではありません。
裏付けになる記述が、会社の公式リリースにもあります。
第6期のロゴが誕生した4年後の1973年、日本に上陸。2004年には岐阜県・関に自社工場を設立し、現在ではハイエンドモデルを中心とした日本製ナイフが国内外へと送り出されています。
岐阜県関市に自社工場がある。通販で売られている両ブランドの三徳の商品名に「岐阜県関市製」と入っているのも、これで筋が通ります。関には刃物まつりを見に行ったことがあります。鍛冶職人の実演に2時間近く見入ってしまった記憶があるのですが、あの街で作られたものが赤い双子マークをつけて出ていくと考えると、なんだか不思議な感じがしますね。
「どこで作られたか」で優劣を決めようとすると、この2ブランドの比較では足をすくわれます。同じ関市から出ている包丁同士を、産地で比べても答えは出ません。見るべきは値段の帯と、自分が手入れにどれだけ手をかける気があるかです。
なお、ヘンケルスの全商品が日本製だと言い切ることもできません。私が原産国の記載を実際に確認できたのは上の3モデルだけで、ブランド全体の製造国一覧は公開されていないからです。買う前に商品ページの原産国欄を自分で見る。これが結局いちばん速くて確実な確認方法になります。
ゾーリンゲンとヘンケルスの違いも整理
もうひとつ、混同されやすい言葉を片づけておきます。ゾーリンゲンです。これはブランド名ではなく、ドイツの地名です。
公式サイトの説明にはこう書かれています。
数世紀にわたり刃物で世界的に有名なゾーリンゲンは、現代でも「刃物の街」として知られ、ナイフや鉄製品の世界的な生産地の一つです。
日本でいえば関や堺、越前にあたる立ち位置です。刃物づくりが集まっている街の名前であって、特定の会社を指す言葉ではありません。だから「ゾーリンゲンとヘンケルスはどう違うのか」という問いは、「関と藤次郎はどう違うのか」と聞いているのに近い。産地とブランドという、そもそも階層の違う言葉を並べている状態です。
この街とツヴィリングの関係は深いものです。公式によれば、すべての始まりは1731年6月13日。ドイツ・ゾーリンゲンで、地元のカトラーズ・ギルドに「ツヴィリング」というブランド名が登録されました。双子座の月にちなんだ名前だ、という由来も公式が説明しています。世界で最も古いブランドのひとつだと自ら書けるのは、この登録の古さが根拠になっているわけです。
「ゾーリンゲン製」と書いてあれば良い包丁? 産地表示は品質の保証ではありません。同じゾーリンゲンにも複数のメーカーがありますし、前の項目で見たとおり、ツヴィリングの主力三徳は日本で作られています。産地の名前で判断するのは、いちばん外しやすいやり方です。
言葉を整理しておくと、ゾーリンゲンは街、ツヴィリングとヘンケルスはブランド、ツヴィリング J.A. ヘンケルスは会社。この3層をごちゃまぜにした説明がネット上には多く、そこが混乱の入口になっています。層が分かれていることさえ押さえておけば、どの解説を読んでも自分で仕分けできるようになります。
ツヴィリングとヘンケルスの違いで選ぶ一本
関係と背景が片づいたので、ここからは買う側の話をします。予算はどれくらい見ればいいのか、研ぎはどうなるのか、上位の雅はどう位置づければいいのか、そしてどこで買うのが得なのか。実際に選ぶときに効く順番で並べていきます。
※本記事にはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト)が含まれています。商品の紹介と評価は筆者コウスケの独立した判断によるもので、広告の有無は記事の内容に影響しません。掲載時点の情報のため、リンク先に商品が表示されない場合があります。
先に判断軸を出しておきます。製造国と食洗機は、この2ブランドの比較では差になりません。主力三徳はどちらも日本製で、公式はどちらも食洗機使用可能と書いているからです。残るのは予算と、手入れへの向き合い方の2つです。
| 見るところ | ヘンケルス | ツヴィリング |
|---|---|---|
| 予算の目安 | 公式でも3,300円未満の選択肢が複数ある | 三徳の下限が通販実勢で6千円前後。主力は8千円台後半 |
| 手入れの前提 | シャープナー中心でも成立する | 砥石で育てる価値がある |
| 付き合う期間 | 数年で買い替える道具と割り切れる | 長く使う前提で選べる |
| 製造国 | 主力三徳は公式表記で日本製 | 主力三徳は公式表記で日本製 |
ツヴィリングJ.A.ヘンケルスの三徳包丁選び
家庭で最初の1本として選ぶなら、どちらのブランドでも三徳包丁が中心になります。それぞれの代表格を1本ずつ見ていきます。
ヘンケルス側の定番が、ロストフライの三徳180mmです。公式の仕様には「特殊ステンレス刃物鋼:微細な分子で構成されている鋼材を使用しています」「レイザーエッジ:職人により研ぎ上げられた刃付けです」と書かれています。柄はストレート型のPOM樹脂。生産国は日本で、食洗機にも対応します。公式価格は3,850円ですが、2026年9月時点の通販実勢は2千円台後半でした。

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ツヴィリング側の入口が、ツイン フィン 2 マルチパーパスナイフ180mmです。刃から柄までつながったオールステンレスで、原産国は日本、こちらも食洗機対応。公式価格は13,200円ですが、通販実勢は8千円台後半でした。継ぎ目がないので洗いやすく、柄の根元に汚れが溜まらないのが、毎日使う道具としては効いてきます。
ツヴィリング ツインフィン 2 マルチパーパスナイフ 180mm(30917-181)をAmazonで見る
価格はどちらも変動します。ここに書いた金額は2026年9月時点で確認した実勢です。買うときは必ず現在の表示価格を見てください。
この2本を並べると、値段の差がどこに出ているのかが見えてきます。ロストフライは柄が樹脂で、刃と柄が別のパーツです。ツインフィン 2 は全体がステンレスの一体もので、そのぶん重さが手元に乗り、洗うときの手間も少ない。どちらが優れているというより、毎日の使い方でどちらが気楽かという違いです。まな板の前に立つ時間が短い人ほど、洗いやすさの差は効いてきます。
ツインフィン 2 を他社の同価格帯と並べて検討したい人は、三徳3本を直接比べた記事にグローバルや藤次郎との比較をまとめてあります。この価格帯は選択肢が多いので、ブランドを決める前に横並びで見ておくと、納得感がかなり違ってきます。
ツヴィリングとヘンケルスと雅の関係
もう1つ、名前だけは目にするブランドがあります。雅、MIYABIです。公式マガジンには、グループの構成がこう説明されています。
世界中のみんなでテーブルを囲もう!ZWILLINGは、フランスのSTAUB、日本のMIYABI、イタリアのBALLARINI、ベルギーのDEMEYERE、そしてBBQのスペシャリストSANTOSとFLAMMKRAFTをひとつに集め、食文化の多彩な魅力を届けています。
「日本のMIYABI」と書かれているとおり、雅はこのグループの中の日本発のブランドです。和包丁の形やダマスカス模様の刃を取り入れた、見た目にも分かりやすい高級ラインとして展開されています。
整理すると、ひとつの会社の中に、手に取りやすい価格帯のヘンケルス、本体の看板であるツヴィリング、そして日本発の雅がある、という並びになります。3つは競合ではなく、値段と方向性で役割が分かれていると考えると腑に落ちます。
最初の1本に雅を選ぶべき? 私は急がなくていいと思います。刃の薄い高級包丁は、まな板の上で無理な力をかけると刃こぼれしやすく、扱いに慣れが要ります。まずは3千円台から1万円までの帯で「切れる包丁がある台所」に慣れてからでも遅くありません。
この構造を知っていると、売り場で迷ったときの当たりがつけやすくなります。値札が跳ね上がっている包丁を見て「同じ会社なのになぜこんなに違うのか」と戸惑うことがなくなりますし、逆に安い棚の商品を見て「これは手抜き品なのでは」と身構える必要もない。それぞれ違う人に向けて作られている、というだけの話だからです。
贈り物を選ぶときにも同じ見方が使えます。相手が料理好きで包丁にもこだわりがありそうなら上の帯を、これから自炊を始める人なら手に取りやすい帯を、と考えれば外しにくい。同じグループの中で選んでおけば、あとから買い足すときも手入れの道具を使い回せます。ブランドを揃えておく利点は、意外とこういう地味なところに出てきます。
ツヴィリングとヘンケルスの包丁の研ぎ方
買ったあとの話もしておきます。どちらのブランドを選んでも、刃はステンレス系です。錆びにくい代わりに、切れ味が落ちてきたら研ぐ必要があるのは同じです。
ヘンケルスのロストフライの公式仕様には、こんな一文があります。「対応可能シャープニングアイテム:ヘンケルス包丁研ぎ器・ZWILLING全てのシャープニングアイテム使用可能。」つまりメーカー自身がシャープナーでの手入れを前提に案内しているということです。砥石を持っていなくても、専用の研ぎ器で日常の切れ味は戻せます。
砥石で研ぎたい人にも、どちらのブランドも問題なく応えてくれます。私が包丁にのめり込んだきっかけも研ぎで、最初は#1000の中砥石を1枚買って、角度が定まらず刃をガタガタにして本気で落ち込みました。それでも1〜2週間ほど毎晩向き合っていると、砥石の上を滑る音の変わり方や、刃先に返りが出る感触が分かってきます。今では仕事の後に研ぐ時間が、一日を切り替えるスイッチみたいになっています。
選び分けの目安はここです。研ぐ時間を取るつもりがないならヘンケルス+シャープナーで十分に成立します。砥石で自分の手に合わせて育てていきたいなら、長く付き合える前提のツヴィリングに投資する価値が出てきます。
どちらの場合も、切れなくなったまま力を込めて使うのがいちばん良くありません。刃が入らないぶん手に力が入り、食材の上で滑って指をやる。切れ味が落ちた包丁のほうが危ないというのは、大げさな話ではなく本当にそうです。月に一度でいいので、手入れの日を決めてしまうのがおすすめです。
研いだあとに切れ味が戻っているかどうかは、トマトを一切れ切ってみると分かりやすいです。皮の上で刃が滑らず、押さずにすっと入っていけば戻っています。逆に皮を押し潰してから入るようなら、まだ刃先が立っていません。専用の道具を買わなくても、台所にあるもので確かめられるのがステンレス包丁の気楽なところです。
ツヴィリングとヘンケルスの違いと店舗選び
最後に、どこで買うかと、この記事のまとめです。
買える場所は大きく2つ。ひとつがツヴィリングの公式オンラインショップで、ヘンケルスの商品もツヴィリングの商品も同じサイトで扱っています。商品ページにはカートがあり、税込11,000円以上で送料が無料になる案内も出ています。もうひとつが通販モールです。2026年9月時点で比べたかぎり、通販のほうが公式価格より2〜3割安い場面がありました。ロストフライ三徳が公式3,850円に対して2千円台後半、ツインフィン 2 が公式13,200円に対して8千円台後半、という具合です。
安さだけで飛びつかないための注意点をひとつ。通販では並行輸入品や旧仕様の在庫が混ざることがあります。商品ページの原産国欄と型番、そして販売元が誰かを確認してから買ってください。ここを見る習慣がつくと、価格差の理由も自然に分かるようになります。
ツヴィリングとヘンケルスの違いをあらためてまとめます。両者は別会社ではなく、ひとつの会社が持つ2つのブランドです。見分けるのはマークで、二人並んだ双子がツヴィリング、一人がヘンケルス。そして最大の誤解だった製造国は、日本で売られている主力の三徳についてはどちらも公式表記が日本製で、差になりません。食洗機の可否も差になりません。
残る判断材料は、予算と研ぎへの向き合い方です。3千円前後で切れる包丁を手に入れて、シャープナーで気楽に維持したいならヘンケルス。1万円近くまで出して、長く使いながら自分で育てたいならツヴィリング。ブランド名の格ではなく、自分の台所の事情で決めていい、というのがこの記事の結論です。どちらのブランドも、行き着く先は同じ関市の工場だったりするのですから。
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