木のまな板の手入れで切れ味を守る正しい使い方と乾かし方の基本

手入れした木のまな板と切った野菜、三徳包丁 包丁の研ぎ方・メンテ

料理歴15年・包丁趣味歴10年超のコウスケです。木のまな板って、憧れて買ったはいいものの「手入れが面倒そう」「すぐ黒ずむって聞くし」と身構えてしまいますよね。私も最初はそうでした。でも実際に何年か使ってみると、難しいことはほとんどなくて、日々のちょっとした習慣で驚くほど長持ちします。

それに、まな板の状態は包丁の切れ味に直結します。これは包丁好きとして声を大にして言いたいところで、木のまな板の手入れは「板をきれいに保つ」だけの話ではなく、せっかく研いだ刃を守るための土台でもあるんです。この記事では、使う前の準備から日々の乾かし方、黒ずみやカビが出たときの対処まで、私が台所で実際にやっている流れをまるごとお伝えします。

  • 木のまな板の手入れが包丁の切れ味を守る理由がわかる
  • 使う前・使った後にやるべき一手間が身につく
  • 黒ずみやカビの原因と、出てしまったときの直し方がわかる
  • やってはいけないNGな手入れと、買い替えの見極めがつく
スポンサーリンク

木のまな板の手入れは包丁の切れ味を守る土台になる

木のまな板を長く気持ちよく使うコツは、特別な道具でも根性でもありません。使う前と使った後の小さな習慣の積み重ねです。ここでは私が毎日やっている基本の流れを、包丁の切れ味との関係もからめながら順番に見ていきます。まずは「なぜ木を選ぶと料理が変わるのか」というところから始めましょう。

木目のきれいな木のまな板と三徳包丁” alt=”木のまな板と包丁が並んだキッチンの静物” width=”1672″ height=”941″ loading=”lazy”/>

木のまな板が包丁にやさしい理由

包丁を研ぐのが趣味の私が木のまな板を推す一番の理由は、刃当たりのやわらかさです。プラスチックや樹脂のまな板は硬くて丈夫な反面、刃先が当たったときに逃げてくれません。トントンと切るたびに刃先が硬い面に押し戻され、少しずつ摩耗していきます。一方の木は、切ったときに繊維が適度に沈み込んで刃先を受け止めてくれるので、刃への負担がぐっと減るんです。

実際、私はプラスチックのまな板をメインで使っていた頃、研いだばかりの切れ味が一週間ももたないことにモヤモヤしていました。それが木のまな板に替えてから、同じ研ぎでも切れ味の持ちが目に見えて長くなったんですね。手で触れたときのコツンという硬さと、木のスッと入る感触の違いは、一度体感すると戻れません。

もうひとつ木の良さは、包丁を持つ手や腕への負担が軽いことです。硬い面に刃を打ちつけ続けると、その衝撃が手首まで返ってきます。木は衝撃を吸収してくれるので、大量の野菜を刻むときも手が疲れにくい。切れ味の持ちと使い心地、この両方を底上げしてくれるのが木のまな板です。だからこそ、その木を良い状態に保つ手入れは、包丁の切れ味を守る作業そのものだと考えています。

木の種類によっても刃当たりは変わります。ひのきや青森ヒバは適度なやわらかさがあって、家庭で毎日使うのにちょうどいい。いちょうの木はさらに刃にやさしく、プロの料理人に好まれるのも同じ理由です。反対に、同じ木製でも硬い集成材やゴムの木はやや刃当たりが硬めなので、切れ味を最優先するなら少しやわらかめの木を選ぶと満足しやすいです。私は複数の素材を使い比べてきましたが、刃を長持ちさせたいならやわらかい木、というのが正直な実感です。

硬いまな板は刃先の摩耗を早めます。木のやわらかな刃当たりは、研いだ切れ味を長持ちさせる地味だけれど確かな効果があります。

使い始めと使う前に濡らす一手間

新しい木のまな板を手に入れたら、最初にやることはとてもシンプルです。基本は水でさっと洗い流すだけ。国産のひのきやヒバは木そのものに油分を含んでいるので、いきなりオイルを塗り込む必要はありません。海外製の硬いカッティングボードだとオイル仕上げが前提のものもありますが、和の木製まな板なら使い始めに難しい下ごしらえはいらないと考えて大丈夫です。買ってきたばかりの木は乾ききっていることが多く、そこへいきなり食材を置くと匂いや色が一気に染み込みます。最初に全体を水でしっかり濡らし、表面が落ち着いてから使い始めると、その後の黒ずみの入り方がまるで違うんですね。

もし木の表面がザラついていたり、ささくれが気になる場合は、細かい紙やすりで軽くなでるように整えてあげると、その後の使い心地が良くなります。とはいえ最近の市販品はきれいに仕上げてあるものが多いので、たいていはそのまま使えます。使い始めに気合いを入れて何かをするというより、「乾いた新品にいきなり食材を置かない」という一点だけ意識しておけば十分です。木の香りが強く感じられる新品もありますが、何度か水でなじませて乾かすうちに自然と落ち着いてきます。

そして、この「使う前に濡らす」という動作は、新品のときだけでなく毎日ずっと続けたい習慣です。乾いた木に食材を置くと、木がスポンジのように食材の水分や色素、匂いを吸い込んでしまいます。にんじんの色移りや、玉ねぎの匂い残りが取れなくなるのは、たいていこの吸い込みが原因なんですね。

水で表面を濡らしておくと、木の目に薄い水の膜ができます。この膜が食材の水分や匂いをブロックしてくれるので、汚れが内部まで入り込みにくくなる。お寿司屋さんや和食の料理人が、切る前に必ず濡れ布巾でまな板を拭いているのも同じ理由です。プロがやっている一手間を家庭でもそのまま真似するだけで、黒ずみの入り方が大きく変わります。

濡らしたあと、そのまま使うと食材が水っぽくなります。一度サッと布巾で余分な水気を拭き取り、しっとりした状態で使うのがコツです。

私の手順はこうです。まず全体を水でザッと濡らし、次に清潔な布巾で表面の水滴を軽く拭き取ります。ビショビショではなく、しっとり湿った状態がベスト。この状態で切り始めると、食材が滑りにくく、切った断面もみずみずしく仕上がります。ほんの数秒の手間ですが、これをやるかやらないかで、まな板の寿命も清潔さもまったく変わってきます。習慣にしてしまえば、蛇口をひねるのと同じくらい自然な動作になりますよ。

ちなみに、この濡らす習慣は切れ味にもいい影響があります。乾いた木は表面が硬く締まっていて、食材が滑りやすくなります。滑ると切るときに余計な力が必要になり、その分だけ包丁にもまな板にも負担がかかるんですね。表面を軽く湿らせておくと食材が安定し、少ない力でスッと切れる。結果として刃先へのダメージも減ります。清潔さと切れ味の両方を守る一手間だと思えば、面倒に感じていた濡らす作業も前向きに続けられるはずです。

切る順番を工夫して臭い移りを減らす

使っている最中の手入れとして地味に効くのが、食材を切る順番です。同じまな板で何品も切るとき、私は水分や匂いの弱いものから先に切るようにしています。具体的には、乾いた野菜から始めて、香りの強い野菜、最後に肉や魚という流れです。この順番を守るだけで、板への匂い移りや色移りがぐっと減ります。

なぜ順番が大事かというと、肉や魚を最初に切ってしまうと、その汁が板に残った状態で次の食材を切ることになるからです。木は一度吸い込んだ匂いや色をなかなか手放しません。逆に、匂いの弱いものから始めれば、強い汚れが付くのは最後の一回だけで済み、その後すぐ洗えば板がきれいなまま保てます。私は調理の段取りを組むとき、切る順番も含めて考える癖がつきました。

それでも肉や魚を切ったあとは、板が乾く前にこまめに水で流すのが鉄則です。放置すると匂いや色素が表面に定着して、あとから洗っても落ちにくくなります。このとき熱いお湯を使わないこともポイント。お湯だと食材のたんぱく質が固まって木の目に入り込み、かえって落ちにくくなるんです。流すのは必ず冷たい水で、というのは覚えておいて損はありません。

切る順番を意識するようになると、料理全体の段取りも自然と整ってきます。私は献立を考えるときに、乾いた野菜、香味野菜、肉や魚という流れで下ごしらえの順番を組み立てるようになりました。まな板を汚さない工夫が、そのまま効率のいい調理につながるんですね。どうしても匂いの強いものを先に切りたいときは、無理せずまな板の裏面を使い分けるか、一度洗ってから次に進めば大丈夫です。まな板が無いときの代わりの選び方はまな板 代用は食材で決まる|牛乳パックやお皿の安全な選び方でまとめていますので、急ぎのときの参考にしてください。

使い終わりの洗い方と乾かし方の正解

スタンドで立てて乾かす木のまな板” alt=”水気を拭いて立てて乾かしている木のまな板” width=”1672″ height=”941″ loading=”lazy”/>

調理が終わったら、なるべく早く洗うのが木のまな板のいちばん大事な習慣です。時間を置くほど匂いや色が染み込んで、こびりつきの原因になります。私は使い終わったらすぐ流しへ持っていって洗うのを徹底しています。野菜だけを切った日は水洗いとタワシだけ、肉や魚を切った日は洗剤を使ってしっかり洗い、そのあと十分にすすぐ、と汚れの度合いで分けています。

洗う道具はスポンジよりタワシがおすすめです。シュロや亀の子タワシのようなパームタワシは、繊維が木の目の隙間に入り込んで汚れをかき出してくれます。金タワシは木を深く傷つけてボロボロにするので絶対に避けてください。洗剤も使いすぎると木の油分まで抜けてしまうので、匂いの強い食材を切った日に控えめに使うくらいがちょうどいいです。

洗ったあとお湯をかけて殺菌したいときは、必ず洗剤で汚れを落としてから。汚れが残った状態で熱湯をかけると、たんぱく質が固まって匂いの元になります。

そして最重要なのが乾かし方です。洗い終わったら、まず乾いた布巾で表面・裏面・側面までしっかり水気を拭き取ります。そのうえで、風通しの良い場所に立てて乾かす。木の目を縦にして、下の面にも空気が通るようにスタンドや箸で少し浮かせてあげると、乾きが早くなります。毎回同じ面を下にすると水分が抜けにくいので、時々上下を入れ替えるのもコツです。

ここで意外と見落としがちなのが、表面が乾いて見えても木の内部はまだ湿っている、ということです。触ってサラッとしていても、内部の水分が抜けきるには数時間かかります。だから戸棚やシンク下へすぐしまい込まず、しっかり乾かしてから収納するのが大事。私は基本的に立てかけたまま一晩置いて、翌朝に片付けるようにしています。この乾かす作法は包丁の保管とも通じるところがあって、道具は乾かしてこそ長持ちします。包丁の保管と乾かし方|サビと刃こぼれを防ぐしまい方の正解もあわせて読むと、台所の道具まわりがまとめて整いますよ。

木のまな板の手入れでやってはいけないこと

良かれと思ってやったことが、実はまな板を痛めているケースは意外と多いです。まず避けたいのが食洗機での洗浄。食洗機は高温のお湯と熱風で一気に乾かすため、木が急激に収縮して反りや割れの原因になります。手洗いが面倒でつい入れたくなりますが、木製まな板だけは手洗いを守ってください。

次にやりがちなのが、漂白剤での長時間のつけ置きです。プラスチックのまな板ならおなじみの方法ですが、木にやると成分が内部まで染み込んで変色や割れを招きます。木が本来持っている油分やヤニといった保護成分まで抜けてしまい、かえってカビに弱くなることもあるんですね。木のまな板に強い薬剤の長風呂は禁物です。

食洗機・金タワシ・漂白剤の長時間つけ置き・直射日光での天日干し。この4つは木のまな板を一気に痛める代表格です。

乾かすときに直射日光へ当てるのも避けたいところ。早く乾かしたい気持ちはわかりますが、強い日差しに当てると表面だけ急に乾いてひび割れや反りが出ます。乾燥は日陰の風通しの良い場所でゆっくりと、が基本です。私も一度、ベランダで天日干しして角が反ってしまった苦い経験があります。木は生きていた素材なので、急な温度変化や乾燥に弱いんですね。

もうひとつ加えるなら、長時間の水のつけ置きも木には大敵です。汚れが気になるからと水を張ったシンクに放り込んだままにすると、木が水を吸いすぎて膨張し、乾くときに反りや割れを起こします。洗うのは手早く、が鉄則。こうしたNGはどれも「木は水と熱に弱い」という一点から来ています。ここを理解しておくと、うっかりミスを防げます。良い包丁も同じで、道具は正しい扱いを知っておくだけで寿命がまるで変わります。切れ味が落ちる原因については包丁の切れ味が落ちる原因7つ|研いでも切れない理由と対策で詳しくまとめています。

木のまな板の黒ずみとカビは日々の手入れで防げる

ここからは、多くの人が木のまな板をためらう理由でもある黒ずみとカビについてです。原因さえ知っておけば、防ぐのも直すのもそれほど難しくありません。日々の手入れで防ぎつつ、出てしまったときの対処法まで具体的に見ていきましょう。合わせて、切れ味を守るための包丁選びにも少し触れます。

黒ずみとカビが出る原因を知っておく

木のまな板の黒ずみやカビの正体は、たいていが水分と栄養分を得たカビ菌です。木の目の奥に食材の汁や水分が残ったまま乾ききらないでいると、そこがカビの温床になります。黒ずみの一因とされるクロコウジカビなどの微生物は、湿った木が大好物なんですね。つまり、黒ずみもカビも「乾かしきれていないサイン」だと考えると分かりやすいです。

私が観察してきた限り、黒ずみが出やすいのは決まってまな板の端や、水がたまりやすい木口の部分です。表面はきれいでも、側面や裏の見えないところから黒くなってくることが多い。これは水気を拭くときに表側だけで満足してしまい、側面や裏面の乾燥が甘くなるからです。だからこそ、洗ったあとに全面を拭き取り、立てて空気を通す作法が効いてきます。

黒ずみもカビも「湿ったまま放置」が最大の原因です。裏を返せば、しっかり乾かす習慣さえあれば、その多くは未然に防げます。

もうひとつ知っておきたいのが、匂い残りと黒ずみは同じ根っこだということ。どちらも汚れや水分が木の内部に留まった結果です。だから普段から使う前に濡らし、使ったらすぐ洗って乾かす、という基本の手入れを回していれば、黒ずみもカビも匂いもまとめて遠ざけられます。特別な対策を足すより、日々の当たり前を丁寧にやることが、結局いちばんの予防になります。

季節によっても黒ずみやカビの出やすさは変わります。特に梅雨から夏にかけては湿度が高く、乾きが遅くなるので要注意です。この時期は換気扇を回しながら乾かしたり、扇風機の風を当てたりして、乾燥を助けてあげると安心です。逆に冬の乾燥した時期は割れや反りが出やすいので、季節ごとに気を配るポイントが少し違ってきます。私は湿気の多い時期ほど乾かす場所と時間を意識して、まな板が濡れたまま朝を迎えないようにしています。

黒ずみが出たら削って直す手入れ

紙やすりで表面を整える木のまな板” alt=”紙やすりで表面を整える木のまな板の静物” width=”1672″ height=”941″ loading=”lazy”/>

予防していても、長く使えばどうしても黒ずみや浅い傷は出てきます。そんなときの直し方はシンプルで、表面を薄く削ってあげることです。木のまな板は表面を一枚めくるように削れば、内側のきれいな木肌が現れて、新品に近い状態まで戻せます。これは木製ならではの大きな利点で、プラスチックにはできない再生の仕方なんですね。

軽い黒ずみなら、家庭でも紙やすりで対応できます。私がやるときは、まず粗めの番手(180番くらい)で黒ずみを削り落とし、次に細かい番手(400番前後)で表面をなめらかに整えます。水をかけながら木目に沿って均等に動かすのがコツで、一か所だけ強く削るとそこがへこんでしまうので注意してください。削ったあとは毛羽立ちが出るので、タワシで水洗いして削りカスを落とし、しっかり乾かします。

深い黒ずみや大きな反りまで進んでいる場合は、家庭の紙やすりでは追いつきません。メーカーやお店の削り直しサービスに出すと、機械でまっすぐ削ってほぼ新品に戻してくれます。

削ったあとにひとつ気をつけたいのが、削りっぱなしにしないことです。表面を削ると木の内部が露出して、そのままだと水を吸いやすい状態になっています。削り終えてよく乾かしたら、気になる人はうすくオイルを塗って表面を保護してあげると、次の黒ずみが入りにくくなります。私は年に一度くらいの頻度で軽く削って表面をリセットし、そのたびに板が若返るのを楽しんでいます。手をかけた分だけ長く使えるのが、木ならではの面白さです。

家庭で削るのが難しいほど黒ずみが根深いときや、板全体が反ってきたときは、無理をせず削り直しサービスや買い替えを検討したほうが結果的にきれいに使えます。削って直すか、そろそろ新しくするか。この見極めは木のまな板と長く付き合ううえで避けて通れないところです。なお、樹脂(プラスチック)まな板の黒ずみを落とす方法は、プラスチックまな板の黒ずみの取り方にまとめています。

削り直しに出すか、そろそろ新しくするか。その見極めの目安はまな板の削り直しと買い替えを見分ける記事でくわしくまとめているので、迷ったときにのぞいてみてください。

オイルを塗って乾燥から守る

日々の手入れに慣れてきたら、定期的なオイル塗りも取り入れると、まな板がさらに長持ちします。オイルは木の内部に染み込んで表面をコーティングし、水分や汚れの吸い込みを抑えてくれます。国産のひのきやヒバはもともと油分があるので必須ではありませんが、乾燥が気になる季節や、長く使って木がパサついてきたと感じたときにはとても効果的です。

使うオイルは、食品に触れても安心なものを選びます。アマニ油やクルミ油といった、乾くと固まる性質のオイルは、塗り重ねると丈夫な保護層になります。ただし色がやや濃くなるので、木の風合いをそのまま残したいなら無味無臭のミネラルオイルが扱いやすいです。私は季節の変わり目に、よく乾かしたまな板へ薄くオイルをのばして、余分を拭き取ってから一晩置く、というやり方をしています。

塗るタイミングで大事なのは、必ず完全に乾いた状態で行うこと。湿ったまま塗ると、水分を内部に閉じ込めてしまい、かえってカビの原因になります。洗って一日以上しっかり乾かしてから塗るのが安心です。オイルは頻繁にやる必要はなく、月に一度や季節ごとで十分。手をかけるほど木は応えてくれるので、余裕があるときの楽しみとして続けています。

塗り方のコツは、少量を布やキッチンペーパーに取って、木目に沿って薄くのばすことです。たっぷり塗ればいいというものではなく、むしろ塗りすぎるとベタつきが残ってしまいます。全体になじませたら、しばらく置いて余分なオイルを乾いた布で拭き取る。これでサラッとした手触りに仕上がります。オイルを塗ると木の色が少し深くなり、味わいが増すのも楽しみのひとつ。日々の乾かし方さえできていれば、オイルは無理に毎回やらなくても大丈夫なので、気負わず取り入れてみてください。

切れ味を守るなら包丁自体も見直す

木のまな板で刃をやさしく守る話をしてきましたが、そもそもの包丁がよく切れないと、まな板をいくら大事にしても料理は快適になりません。切れない包丁で無理に押し切ると、まな板に余計な力がかかって傷も増えますし、手も疲れます。まな板の手入れと包丁の切れ味は、両輪で考えるのが正解です。

もし今の包丁の切れ味に不満があるなら、まず一本、しっかり切れる万能包丁を持つことをおすすめします。私が家庭料理でいちばん使っているのが藤次郎 DP 三徳 F-503です。藤次郎のDPコバルト合金鋼を割り込んだ三層構造の三徳包丁で、価格のわりに切れ味も刃持ちも文句なし。家庭料理の九割はこれ一本で片付いてしまう、コスパの王様のような一本です。
楽天市場で藤次郎F-503を見る

三徳包丁は野菜も肉も魚もこなせる万能タイプなので、最初の一本にちょうどいい形です。三層構造というのは、中心の硬い鋼を柔らかいステンレスで挟んだ作りのことで、硬さで切れ味を、柔らかさで扱いやすさを両立させています。研ぎやすさも家庭向きで、私も普段使いの相棒として長く愛用しています。高すぎる包丁を無理に買う必要はなく、まずは手頃で信頼できる一本を選ぶのが、料理を楽しくする近道です。

よく切れる包丁は、食材にスッと入るので押し込む力がいりません。結果としてまな板への負担も減り、板と刃の両方が長持ちします。

包丁も、木のまな板と同じで手入れをすれば長持ちします。よく切れる一本を手に入れたら、たまに研いで切れ味を保ってあげてください。研ぎたての刃とやわらかな木のまな板の相性は本当に良くて、切るたびに小さな満足感があります。私が研ぎにハマったのも、この切れ味の気持ちよさを知ってしまったからでした。

木のまな板とよく切れる包丁がそろうと、切る作業そのものが気持ちよくなります。トマトの薄切りが潰れずに切れたり、玉ねぎのみじん切りがサクサク進んだり。その気持ちよさを一度知ると、料理へのハードルが下がるんですよね。まな板の手入れを続けるモチベーションにもつながります。道具を整えることは、そのまま料理を楽しくすることだと、私は自分の台所で実感しています。

木のまな板の買い替え時期の見極め

丁寧に手入れをしても、木のまな板にはいつか寿命が来ます。買い替えを考える目安として私が見ているのは、まず反りです。板が大きく反ってしまうと、まな板がガタついて包丁が安定せず、切るときに危ないうえに切れ味も活かせません。平らな台の上に置いてカタカタ動くようになったら、そろそろ替えどきのサインです。

次に、削っても取れない深い黒ずみやカビ。表面を削って直せるのが木の良さですが、削れる厚みには限界があります。何度も削って薄くなってきた、あるいは削っても内部まで黒ずみが達しているという場合は、衛生面を考えても無理に使い続けないほうがいいです。木口が割れてきたり、深いヒビが入ったときも同様で、そこに水がたまってカビの巣になります。

大きな反り・削っても消えない黒ずみ・深いヒビ割れ。この3つが出たら、手入れよりも買い替えを前向きに考えるタイミングです。

買い替えるなら、乾きやすさを重視するとその後の手入れが楽になります。青森ヒバやひのきは抗菌成分を含み、水はけも良いので家庭向きです。厚みのあるものは削り直して長く使え、薄手のものは軽くて扱いやすい。自分の台所のスペースや、乾かす場所に合わせて選ぶといいですよ。

サイズ選びも意外と大切です。大きすぎると洗うのも乾かすのも大変で、つい手入れが億劫になります。逆に小さすぎると食材がはみ出して使いにくい。一人暮らしや二人暮らしなら、シンクにすっぽり収まって片手で扱えるくらいのサイズが、結局いちばん長続きします。自立するスタンド付きのものを選べば、乾かす場所にも困りません。良い道具を長く使うのも、状態を見て潔く替えるのも、どちらも道具を大切にすることに変わりはありません。

木のまな板の手入れで料理がもっと楽しくなる

ここまで、木のまな板の手入れを使い始めから買い替えまで通して見てきました。振り返ってみると、やることは驚くほどシンプルです。使う前に濡らして拭く、使ったらすぐ洗って全面を拭き、立てて乾かす。黒ずみが出たら削って直す。この基本の繰り返しだけで、木のまな板は何年も気持ちよく応えてくれます。

そして忘れないでほしいのが、木のまな板の手入れは包丁の切れ味を守る作業でもあるということです。やわらかな木が刃先を受け止め、よく切れる包丁が食材にスッと入る。この組み合わせが、日々の料理をぐっと快適にしてくれます。私自身、道具を整えたことで、めんどうだった下ごしらえが楽しい時間に変わりました。まな板一枚から、台所の空気が変わるんです。

あらためて手入れの流れをおさらいすると、使う前に濡らして拭く、切る順番を意識する、使ったらすぐ洗って全面を拭き、立てて乾かす。そして黒ずみが出たら削り、季節ごとにオイルで整える。文字にすると多く感じますが、ひとつひとつは数秒から数分の作業です。この積み重ねが、木のまな板を何年も清潔に、そして包丁を切れる状態に保ってくれます。全部を完璧にやろうと気負わなくても、できることから少しずつで十分です。

もし黒ずみやカビが出てしまっても、必要以上に落ち込まないでください。木のまな板は削れば何度でもよみがえりますし、それも含めて「育てていく道具」なんです。プラスチックのように使い捨てず、手をかけながら長く付き合える。そう考えると、多少のトラブルも付き合いの一部として楽しめるようになります。私も最初の一枚を黒ずませてしまいましたが、今ではそれも良い勉強だったと思っています。

最初は少し手間に感じるかもしれませんが、続けるうちに歯磨きと同じくらい自然な習慣になります。難しく考えず、今日の調理からまず「使う前に濡らす」を試してみてください。その小さな一手間が、木のまな板と包丁、どちらも長持ちさせる第一歩になります。あなたの台所にも、長く付き合える相棒として木のまな板がなじんでくれたら嬉しいです。手入れの手間を省きたくてゴム製を検討しているなら、ゴムまな板のデメリットと向き不向きもあわせて読んでから決めると、後悔が少なくなります。

※本記事には一部プロモーションを含みます。

▼ 包丁のミカタからの無料ガイド配布中

コメント

タイトルとURLをコピーしました